「東京島」を読んでみた
この本が原作の同名映画が、昨年公開されて話題になったと思うが、意外と知らない人も多いようだ。
どんな内容かというと、
ひとことで言えば、無人島に漂着した男35人と女一人・・・
しかも男たちは20代の若者で女は40代半ば。
タイヘンダァ((笑)
しかし、一番タイヘンなのは、これが実話が基になっていることなのだ。
第二次大戦中は日本人入植者もおり、島民を使いヤシの栽培がおこなわれていた。
第二次世界大戦末期、島民は島から脱出したが、一方で難破船から避難していた日本人がこの島に漂着した。
1945年から1950年までの間、島ではアメリカ軍の降伏の呼び掛けに応じない日本人男性多数と女性一人(比嘉和子24歳)が)共同生活をしていたが、その間に男性が次々といなくなる事件が発生した(アナタハンの女王事件)。ウィキより
結局、たった一人の女性は、島に男たちを残したまま、アメリカ軍による救出の船に一人で乗り込み、救出される。
救助隊と一緒に (写真中央が和子)
結局、一年後には残った男たちも全員救出されるが、島には7年もの長い間いたことになる。
そして、7年前には32人いた男たちは、19人まで減っていた。
病死や行方不明などもいるが、女性をめぐっての確執から命を落としたもの達もいたという。
アナタハン島の女性を巡る一連の怪事件が戦後、大々的に報道され、日本国内で「アナタハンブーム」となり、和子のブロマイドが売れに売れた。和子は男を惑わす女として報道され、大衆の好奇の目に晒された。映画化もされた。ウィキより
昭和28(1953)年、比嘉和子本人が主演を演じた映画「アナタハン島の真相はこれだ」が公開される。
比嘉和子も出演した。しかし、名作「モロッコ」で有名な監督の作品ではあったが、評価は低いものに終わったようだ。
「アナタハン(The Saga of Anatahan)」。
主演は根岸明美。(Public domain)
そして、この話が元になったと思われる本は「東京島」のほかにも
絶海密室作者: 大野 芳 などがある。
桐野さんの「東京島」では、男たちは役割の中で安定していってしまうが、清子はひたすら自分自身が生き残ることだけにまい進していく姿が、たくましい。
そして、たった一人の女性である清子の年齢が、モデルとなった話のように20代ではなくてなぜか40代で、しかも肥満体に設定されている。
映画化するにあたり、それではあんまりだと思われたのか(^^;)、同じ40代でもスリムで美しい木村多江が主演に選ばれている。