鬼太郎の実力

 
 
フジテレビ系「ノイタミナ」枠他にて2008年1月から3月まで放送されたテレビアニメ。 30分×11話。
1959年から1964年にかけて執筆された「貸本版・墓場鬼太郎」(当時の題名は「妖奇伝」「墓場鬼太郎」「鬼太郎夜話」)を原作としている。
他のアニメ版「ゲゲゲの鬼太郎」とは異なり、原作の怪奇漫画を踏襲したおどろおどろしい内容・キャラクターデザインとなっている。by http://d.hatena.ne.jp/keyword/%CA%E8%BE%EC%B5%B4%C2%C0%CF%BA
                            
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昨年は、NHKのドラマのおかげで、何度目かの鬼太郎ブーム。
 
今回は天下のNHKのおかげで、すっかり水木しげるは国民作家?になった感もあり・・。
 
しかし、これだけ誰もが知っている(と思っている)鬼太郎も、原作の漫画を読んでいる人は少ないのでは?
 
原作、いいですよ。
 
古来日本の風土が持つ濃密な空気が満ち溢れ、独特の反骨精神が実に痛快で。
 
 
 
 
 
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TVでおなじみの「ゲゲゲの鬼太郎」は、原作に比べて毒気がない。
 
特に平成版は、ただの正義の味方に成り下がっていて、あれはもはや鬼太郎とも思えない。
 
反動なのか、上の動画が作られて、深夜に放送され、かなり反響を呼んだ。
 
凝った画面で、原作の持つおどろおどろしさは再現されていて重々しいが、残念ながら今度は諧謔(かいぎゃく)
 
味がなくなってしまっている。
 
 
 
 
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昔、絵の仲間と、信州は五箇山相倉合掌造り集落に行ったことがある。
 
合掌造りと言うと、白川郷ばかり有名だが、相倉は白川郷近くのこじんまりした集落である。
 
知名度がやや落ちる分、観光地化されていなくて人気(ひとけ)がなく、かえって往時の雰囲気が白川郷よりも色
 
濃く残っている。
 
実際、この地に足を踏み入れた時、わたしはあまりに濃厚な気配にたじろいだ。
 
何の気配とかいうと、イメージ 3                                                     相倉
 
「わ、鬼太郎がでそう!」
 
な気配がしたのだ。
 
鬼太郎なのか、座敷わらしなのか、とにかく
 
土着の物の怪がなにやらうごめいていそうな
 
リアルな気配に、
 
マジ、びびった~、のである。
 
 
 
 
 
 
 
 
鬼太郎やその他の水木さんの作り出したキャラたちが、一見不気味なのにも係わらず、こんなにも日本人に
 
愛されるのは、現代の日本人がなくしてしまった故郷の匂いをかぎつけるからかも知れない。
 
さまざまな妖怪たちは、日本人が古来から持っている自然崇拝精霊崇拝アニミズム)が具現化されたものとし
 
て受け入れられているのだろう。
 
 
 
 
 
 
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「東京島」を読んでみた

イメージ 1この本が原作の同名映画が、昨年公開されて話題になったと思うが、意外と知らない人も多いようだ。
 
どんな内容かというと、
ひとことで言えば、無人島に漂着した男35人と女一人・・・
しかも男たちは20代の若者で女は40代半ば。
 
タイヘンダァ((笑)
 
しかし、一番タイヘンなのは、これが実話が基になっていることなのだ。
 
 

東京島 [単行本]  

 
 
 
フィリッピンマリアナ諸島に、面積は31.21平方kmの火山島でアナタハンという島がある。イメージ 2
 
 
 
 
 
第二次大戦中は日本人入植者もおり、島民を使いヤシの栽培がおこなわれていた。
 
第二次世界大戦末期、島民は島から脱出したが、一方で難破船から避難していた日本人がこの島に漂着した。
 
1945年から1950年までの間、島ではアメリカ軍の降伏の呼び掛けに応じない日本人男性多数と女性一人(比嘉和子24歳)共同生活をしていたが、その間に男性が次々といなくなる事件が発生した(アナタハンの女王事件)。ウィキより
 
 
 
 
 
 
 
 
結局、たった一人の女性は、島に男たちを残したまま、アメリカ軍による救出の船に一人で乗り込み、救出される。
 
イメージ 3救助隊と一緒に (写真中央が和子)
 
 
結局、一年後には残った男たちも全員救出されるが、島には7年もの長い間いたことになる。
 
そして、7年前には32人いた男たちは、19人まで減っていた。
 
病死や行方不明などもいるが、女性をめぐっての確執から命を落としたもの達もいたという。
 
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                               アナタハン
 
 
 
 
 
 
アナタハン島の女性を巡る一連の怪事件が戦後、大々的に報道され、日本国内で「アナタハンブーム」となり、和子のブロマイドが売れに売れた。和子は男を惑わす女として報道され、大衆の好奇の目に晒された。映画化もされた。ウィキより
 
 
昭和28(1953)年、比嘉和子本人が主演を演じた映画「アナタハン島の真相はこれだ」が公開される。
 
この映画を、来日中であったハリウッドの名匠ジョセフ・フォン・スタンバーグ監督が、非常に興味を持ち、同年、ジョセフ・フォン・スタンバーグ監督によって、映画「アナタハン」が製作された。
比嘉和子も出演した。しかし、名作「モロッコ」で有名な監督の作品ではあったが、評価は低いものに終わったようだ。
 
 
 
アナタハン(The Saga of Anatahan)」。
主演は根岸明美。(Public domain)
 
 
そして、この話が元になったと思われる本は「東京島」のほかにも
絶海密室作者: 大野 芳 などがある。
 
 
 
桐野さんの「東京島」では、男たちは役割の中で安定していってしまうが、清子はひたすら自分自身が生き残ることだけにまい進していく姿が、たくましい。
そして、たった一人の女性である清子の年齢が、モデルとなった話のように20代ではなくてなぜか40代で、しかも肥満体に設定されている。
 
映画化するにあたり、それではあんまりだと思われたのか(^^;)、同じ40代でもスリムで美しい木村多江が主演に選ばれている。
 
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ストーリー

谷崎潤一郎賞を受賞した桐野夏生のベストセラー小説を、木村多江主演で映画化。共演に窪塚洋介、福士誠二、鶴見辰吾ら。メガホンをとるのは「犬と歩けば チロリとタムラ」の篠崎誠監督。清子と隆の夫婦は旅の途中で嵐に遭い、太平洋に浮かぶ無人島に漂着する。隆が衰弱していくなか、さらに島に16人の若い男たちと、密航に失敗した6人の中国人の男が漂流してくる。やがて男23人と清子の奇妙な共同生活が始まるが、隆がナゾの死を遂げたことで、島での人間関係が崩れ始める。

キャスト・スタッフ

キャスト:
木村多江窪塚洋介福士誠治柄本佑木村了染谷将太山口龍人南好洋結城貴史清水優阿部亮平テイ龍進趙民和鶴見辰吾
監督:
篠崎誠
 

あけましておめでとうございます

 
 
 
 
あけましておめでとうございま~す。^^
 
 
 
お、12時半になりました。
 
新年早々、夜更かしはいけませんね^^;
 
とりあえず今年の目標に、「早寝早起き」は入れたいところです。
 
後は、もっと絵を描いて、読書もしたいなぁ。
 
ブログももうちょっとマメに更新したい。。。? 
 
 
 
 
 
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こんな私ですが、見捨てないで今年もよろしくお願いしま~す。^0^

子は育つ~手にはハンドクリーム、口にはよだれ~

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毎週決まった時間にTVの前に座るということが出来ない性分なので、ほとんどTVドラマはみないのですが
 
フリーター、家を買う。』を見てます。
 
(フリーター、いえをかう。)は、2009年に刊行された有川浩による日本小説作品、またはそれを原作とした2010年テレビドラマ作品。
 
ストーリー
大学を卒業して就職したものの、会社に馴染めず三ヶ月ほどで会社を辞めてしまった武誠治は、以後再就職も出来ずにだらだらとフリーター生活を送り、その事が原因で父との口論が絶えず、母はそんな誠治をかばい続けて来た。だが、ある日母がうつ病になってしまい、姉からもだらしのない現状や自身が気づかなかった母親の苦悩を容赦なく指摘され、このままではいけないとようやく考え始める。 当面の目標として、まず就職することと100万円を貯めることを決め、誠治は家族のために一念発起し、バイトに就職活動に母の看病にと奔走する。
ウィキより
 
はじめは、このドラマの一話目を見た2ちゃんユーザーの方々の反響の大きさに興味を引かれて見始めました。
 
主人公は嵐の二宮君が演じているのですが、そのダメっぷりがとても他人とは思えない、というのが2ちゃんねら
 
ーさんたちの反応でした。
 
その点については、そんなものかと思いましたが、
 
今このドラマで、私も含め日本中の母親がキュンとなっちゃっているシーンがあるのです。
 
それは、鬱をわずらう母親の手に、二宮君がハンドクリームを優しく塗ってくれるシーンです。
 
このシーンはほぼ毎回あるのですけど、これはたまりません。
 
自分の子供にハンドクリームを塗ってもらう。。。
 
子供なんて手がかかるばかりだとばかり思っていたのに~ですよ。(笑
 
ちょっと、うるうるです。^^;
 
ウチの息子にはまだそんなこと照れくさくて頼めませんが、この先もしそんなことがあったら、子育ての苦労なん
 
て、全部それでチャラです。
 
息子が赤ちゃんの時なかなかオムツが取れなくて、賃貸の畳の部屋にウンチ洩らしたのも許してあげるわ。(笑
 
なあんて、思いましたよ。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
潜水服は蝶の夢を見る」日本版予告編
 
 
 
 
 
潜水服は蝶の夢を見る」の主人公は、パリのファッション誌「ELLE」の編集長だったジャン=ドー、42歳。彼は、超一流の服を着て、超一流の食事と酒を楽しみ、超一流の旅を満喫して、超一流の女と戯れている、そんなちょいワルオヤジだ。だが、ある日、愛車のジャガーを転がして、パリ郊外の(事実婚状態の)妻と暮らす子供たちの元へ遊びに行った帰り、彼の人生は急転直下する。脳梗塞を起こした彼は、左目の瞳と瞼の筋肉としか動かなくなり、左目の視覚と聴覚以外のすべての感覚がマヒしてしまうのだ。
肉体という檻に閉じこめられた“ロックト・イン・シンドローム”という症状に陥り、潜水服を着たような状態になったジャン=ドーは、絶望の淵に落とされるが、蝶のように飛躍できるイマジネーションと記憶を頼りに自伝を書き始める。http://eiga.com/movie/53278/special/
 
 
 
 
この映画の主役のマチュー・アマルリックは、
 
元気な頃はエネルギッシュでセクシーで知的で、若い頃アル・パチーノみたいで素敵なのですが、
 
脳梗塞で全身麻痺になってしまうと、容姿も一変してしまう。
 
その落差はぎょっとするものがあるのですが、彼の家族は変わらずやさしく接してくれる。
 
まだ42歳の彼には、小さな子供たちが3人もいるのだが、ゆがんだ顔にキスするときもためらう風もな
 
い。愛人のところに去っていってしまった父親だというのに。
 
子供というのは、どんな親でも思ってくれるのだ。(泣
 
 
 
浜辺に車椅子の父親を連れ出して散歩するシーンでは、父親の動かせない口元から流れるよだれを、
 
まだ10歳くらいの長男が、そっとぬぐってくれる・・・。
 
瞬間的にうるっと来ちゃいます。
 
今思い出すとまたウルルと・・・。
 
 
 
いつまでも負うばかりだと思っていた子に、負われる日がくるのですね・・。
 
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 よだれといえば、
 
ウチの長男はめちゃくちゃよだれの多い赤ちゃんだったなぁ・・・。
 
 
 

「シネマまえばし」が好き!

昔、東京にはたくさんの名画座があって、学生だった頃の私は、少しでも時間が
 
空くとせっせとあちらこちらの名イメージ 1画座に通っていました。
 
住んでいた場所から一番近かったし、3本立てという豪華さに引かれて一番よく行
 
ったのが三鷹オスカー。
 
三鷹オスカーで3本立てを見る前には、サンドイッチと飲み物を買い込んで、それ
 
こそ一日中映画三昧。
 
今思うとなんと言う贅沢さ!
 
 
 
 
 
イメージ 2その他、池袋文芸座、中野、早稲田松竹、ギンレイホー
 
ル、など行きました。
 
かかる映画は名画座というくらいで、どれもこれもおもしろい。
 
短大の2年間で見まくった私は、しまいには、名画座でかかる映画はみんな見たことのあ
 
る映画ばかりになってしまいました。
 
              たったの2年間でしたが、私と映画の蜜月といえる日々でした。
 
 
 
 
 
 
実家に帰ってからは、家の近くの映画館に気に入った映画がくれば見に行くくらい。イメージ 3
 
たまには、東京にいったときにミニシアターチックな映画を見ました。
 
でも、やっぱり名画座でかかる映画のほうが、面白いと感じられましたね。
 
でも、、東京まで行かなければ、名画座なんてない。
 
かなしい。。
 
 
 
 
 
イメージ 4と思いきや、近くに名画座ができたのです!
 
「シネマ前橋」です。
 
うれしい!
 
この名画座のすばらしいところは、
 
いい映画なら古今東西問とわずかかるところ
 
です。
 
昔の白黒時代劇から、アジアの知られざる
 
                                          (私が知らないだけ?)名画まで。
 
 
 
 
 
 
しかし、やっぱり私にとってうれしいのは、ヨーロッパの昔の映画。
 
最近では、ビスコンティタルコフスキーの特集はもしかして私のため?イメージ 5
 
とばかりに狂喜して、せっせと通う。
 
シネコンで映画を見るしかなかった今までの日々
 
が、私にとってはいかに不本意であったか痛感す
 
ることしきり・・。
 
 
 
 
 
 
 
シネマ前橋、今月は小栗康平全作品上映です。
 
12月はいろいろと忙しいので、全部は無理としても何作か、
 
少なくとも、「死の棘」くらいは観にいきたいですね。
 
 
シネマまえばし 開館一周年記念
 
小栗康平 全作品全上映
 
 
■死の棘  124[] - 1223[]
 
(1990114 / 松竹・松竹第一興行製作)
原作島尾敏雄 脚本小栗康平 撮影安藤庄平 音楽細川俊夫
出演:松阪慶子、岸部一徳木内みどり、松村武典(子役)、近森有莉(子役)、他
カンヌ映画祭「グランプリ・カンヌ1990」≫
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それから、年末押し詰まってからナント、
 
世にも怪奇な物語」!の上映。
 
大掃除もしなければならないのに、困った。
 
絶対観にいきたいではないか!
 
 
 
 
というわけで、以上
 
私の、「シネマまえばし」へ足繁く通う日常生活なのでした。
 
 
 
 
 
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エドガー・アラン・ポーの原作を名匠方が描く3話からなる怪奇幻想物語。
 
第一話『黒馬の哭く館』
第ニ話『影を殺した男』
ルイ・マル監督
出演:アラン・ドロンブリジット・バルドー、カティア・クリスチーヌ
第三話『悪魔の首飾り』
フェデリコ・フェリーニ監督
出演:テレンス・スタンプ、サルボ・ランドーネ
 
 
 
 
              シネマまえばしhttp://www.cinemamaebashi.jp/

 

YELL(エール) 合唱

 
 
           YELL
 
 
                  作詞水野良樹 
                  作曲水野良樹
                  唄いきものがかり
 
第76回2009年
 
中学校の部 - 福島県郡山市立郡山第二中学校(2年連続2回目)
                                                                              
  
 
 
 
今ね、小学校のママさんコーラスで、この歌を練習しています。
 
逆立ちしても、こんなにはすばらしく歌えないですけど。^^;
 
それでも、結構練習しますよ。
 
息継ぎの場所から言葉の発音まで、細かくいろいろときりがないほど練習すべきところはあります。
 
この、Nコンで優勝した子達は、一体どれほど練習したのか、想像もつきません。
 
 
 
 ↓歌詞付きバージョン
 
 
 
 
 
 
NHK全国学校音楽コンクール(エヌエイチケイぜんこくがっこうおんがくコンクール)は、NHK日本教育音楽協会全日本音楽教育研究会が主催する合唱コンクールである。全日本合唱コンクールと並ぶ二大コンクールの1つであり、メディア露出度の多さから広く認知されている。通称はNコン1932年に「児童唱歌コンクール」として開始、途中1942 - 1946年(1942、1943、1946年は開催されなかったが大会回次はついている)の戦争による中断を挟み2010年度で第77回を数える。1962年から現在の名称になった。毎年夏から秋にかけて開催され、例年全国で2,300校を超える学校の参加がある。                                 wiki

 

橘曙覧

だいぶ前の新聞の切り抜きなのですが・・^^;
 
『うそいうな、ものほしがるな、だらけるな』
 
だそうです・・・。
 
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すいません。
 
私はうそつきました、たくさん物を欲しがりました、しょっちゅうだらけています・・。
 
(*´д`*)
 
この橘曙覧(たちばなのあけみ)という人は、知りませんでした。
 
橘曙覧 - Wikipedia で調べましたら、
 
 
彼の歌を編纂したもので『独楽吟』がある。
「たのしみは」で始まる一連の歌を集めたものである。1994年今上天皇皇后アメリカを訪問した折、ビル・クリントン大統領が歓迎の挨拶の中で、この中の歌のひとつを引用してスピーチをしたことで、その名と歌は再び脚光を浴びることになった。
 
たのしみは朝おきいでゝ昨日まで無りし花咲ける見る時
 
この気持ちはすごくよく分かります。
分かりやすい素直な歌で、国語力の乏しい私にもこのまま理解できて新鮮でした。
 
クリントンさんが、そんなに日本文化に詳しいとは思えないので、もちろんブレーンが選んだのでしょうが、
いい仕事しますね。
 
 
 
 
 
ちなみに、岩波文庫版『橘曙覧歌集』所収の「独楽吟」全52首は次のとおり。
 
Yahoo!の知恵袋に乗っていましたので、お借りします。
 
 
 
橘曙覧 「独楽吟」
 
たのしみは艸のいほりの莚敷ひとりこゝろを静めをるとき
 
たのしみはすびつのもとにうち倒れゆすり起すも知らで寐し時
 
たのしみは珍しき書人にかり始め一ひらひろげたる時
 
たのしみは紙をひろげてとる筆の思ひの外に能くかけし時
 
たのしみは百日ひねれど成らぬ謌のふとおもしろく出きぬる時
 
たのしみは妻子むつまじくうちつどひ頭ならべて物をくふ時
 
たのしみは物をかゝせて善き値惜みげもなく人のくれし時
 
たのしみは空暖かにうち晴し春秋の日に出でありく時
 
たのしみは朝おきいでゝ昨日まで無りし花咲ける見る時
 
たのしみは心にうかぶはかなごと思ひつゞけて煙艸すふとき
 
たのしみは意にかなふ山水のあたりしづかに見てありくとき
 
たのしみは尋常ならぬ書に画にうちひろげつゝ見もてゆく時
 
たのしみは常に見なれぬ鳥の来て軒遠からぬ樹に鳴しとき
 
たのしみはあき米櫃に米いでき今一月はよしといふとき
 
たのしみは物識人に稀にあひて古しへ今を語りあふとき
 
たのしみは門売りありく魚買て烹る鐺の香を鼻に嗅ぐ時
 
たのしみはまれに魚煮て児等皆がうましうましといひて食ふ時
 
たのしみはそゞろ読ゆく書の中に我とひとしき人をみし時
 
たのしみは雪ふるよさり酒の糟あぶりて食て火にあたる時
 
たのしみは書よみ倦るをりしもあれ声知る人の門たゝく時
 
たのしみは銭なくなりてわびをるに人の来りて銭くれし時
 
たのしみは世に解がたくする書の心をひとりさとり得し時
 
たのしみは炭さしすてゝおきし火の紅くなりきて湯の煮る時
 
たのしみは心をおかぬ友どちと笑ひかたりて腹をよるとき
 
たのしみは昼寝せしまに庭ぬらしふりたる雨をさめてしる時
 
たのしみは昼寝目さむる枕べにこと/\と湯の煮てある時
 
たのしみは湯わかし/\埋火を中にさし置て人とかたる時
 
たのしみはとぼしきまゝに人集め酒飲め物を食へといふ時
 
たのしみは客人えたる折しもあれ瓢に酒のありあへる時
 
たのしみは家内五人五たりが風だにひかでありあへる時
 
たのしみは機おりたてゝ新しきころもを縫て妻が着する時
 
たのしみは三人の児どもすく/\と大きくなれる姿みる時
 
たのしみは人も訪ひこず事もなく心をいれて書を見る時
 
たのしみは明日物くるといふ占を咲くともし火の花にみる時
 
たのしみはたのむをよびて門あけて物もて来つる使えし時
 
たのしみは木芽煮して大きなる饅頭を一つほゝばりしとき
 
たのしみはつねに好める焼豆腐うまく烹たてゝ食せけるとき
 
たのしみは小豆の飯の冷たるを茶漬てふ物になしてくふ時
 
たのしみはいやなる人の来たりしが長くもをらでかへりけるとき
 
たのしみは田づらに行しわらは等が耒鍬とりて帰りくる時
 
たのしみは衾かづきて物がたりいひをるうちに寝入たるとき
 
たのしみはわらは墨するかたはらに筆の運び思ひをる時
 
たのしみは好き筆をえて先水にひたしねぶりて試るとき
 
たのしみは庭にうゑたる春秋の花のさかりにあへる時々
 
たのしみはほしかりし物銭ぶくろうちかたむけてかひえたるとき
 
たのしみは神の御国の民として神の教をふかくおもふとき
 
たのしみは戎夷よろこぶ世の中に皇国忘れぬ人を見るとき
 
たのしみは鈴屋大人の後に生れその御諭をうくる思ふ時
 
たのしみは数ある書を辛くしてうつし竟つゝとぢて見るとき
 
たのしみは野寺山里日をくらしやどれといはれやどりける時
 
たのしみは野山のさとに人遇て我を見しりてあるじするとき
 
たのしみはふと見てほしくおもふ物辛くはかりて手にいれしとき
 
 
 
 
 
あらら、いやな人が早く帰ったのを喜んだり、お金がないときにお金をもらって喜んだり。。。、w
 
最後の歌、
物が欲しいのじゃないか!(^^;